混乱する管理画面
ある日、ウェブ制作会社で働く佐藤さんは、本番環境とは別のステージング環境でWordPressサイトの開発を進めていました。開発中のサイトは、セキュリティやパフォーマンスのチェックのためにWordPress 5.2から導入された「サイトヘルス」機能が働いていました。しかし、佐藤さんの環境では、あまり意味をなさないアラートが頻繁に表示され、作業の邪魔になることもしばしば…。
「このアラート、開発中の環境では重要じゃないんだけど…」と頭を抱えた佐藤さんは、どうにかして管理画面上のサイトヘルスのアラートを非表示にできないかと考え始めました。
なぜサイトヘルスのアラートを消す必要があるのか?
WordPressのサイトヘルス機能は、以下のような場合に役立ちますが…
- 本番環境での安全管理
サイトのセキュリティ対策やパフォーマンスの改善に役立つ情報を提供。 - 診断ツールとしての機能
問題があれば、改善点を明確に教えてくれる。
しかし、開発やステージング環境では…
- 意図的な設定変更
サイトヘルスが推奨する設定と、開発者が意図した設定が異なる場合。 - 一時的な警告
テスト中の環境固有のエラーや警告が、本番では無視してもよい場合。
このようなシチュエーションでは、アラートが余計なノイズとなり、管理画面が煩雑になることもあるのです。
アラート非表示の方法
WordPressのコア機能をフックすることで、不要なアラートを非表示にする方法を見つけました。以下、2つの方法をご紹介します。
方法1: 管理画面のアラート自体を非表示にする
まずは、管理画面に表示されるサイトヘルスの通知を取り除く方法です。テーマの functions.php
やコードスニペットプラグインに、以下のコードを追加します。
function my_remove_site_health_alert() {
// WP_Site_Health クラスが存在する場合のみ処理
if ( class_exists( 'WP_Site_Health' ) ) {
remove_action( 'admin_notices', array( WP_Site_Health::get_instance(), 'maybe_display_message' ) );
}
}
add_action( 'admin_init', 'my_remove_site_health_alert' );
このコードは、WordPressの管理画面にアラートを表示するためのアクションを解除することで、不要な通知を非表示にします。
方法2: サイトヘルスのメニューリンクを隠す
場合によっては、管理画面内の「ツール」メニューに表示される「サイトヘルス」へのリンク自体を非表示にしたいこともあります。こちらは次のコードで実現できます。
function my_remove_site_health_menu() {
remove_submenu_page( 'tools.php', 'site-health.php' );
}
add_action( 'admin_menu', 'my_remove_site_health_menu', 999 );
このコードを追加すると、管理画面の「ツール」メニューから「サイトヘルス」ページへのリンクが消え、不要な情報にアクセスしてしまうリスクも減少します。
安心してカスタマイズ
こうして、佐藤さんは自分の開発環境に合わせた管理画面を構築し、余計なアラートに煩わされることなく、スムーズなサイト制作を進めることができました。もちろん、サイトヘルス機能は本番環境では非常に重要な診断ツールですので、無闇に全体を無効化するのではなく、必要な部分だけをカスタマイズすることが大切です。
サイトヘルス機能は、サイトの安全性やパフォーマンスを向上させるための重要な役割を担っています。開発やステージング環境など、特定の状況でのみ非表示にするよう心がけ、本番環境ではそのまま利用することを推奨します。
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