Google Analytics(GA)は、サイトのトラフィックやユーザーの行動を分析するのに欠かせないツールですが、初めて使う人にとっては設定の多さに圧倒されることもあるでしょう。そこで、初めての方でもすぐに役立つ、便利な機能とその設定方法を5つ紹介します。
Google シグナルを有効にしてクロスデバイス分析を強化する
GAでは、ユーザーがスマホ・タブレット・PCなど複数のデバイスを使ってサイトを訪問するケースがよくあります。このような場合に「Google シグナル」を有効にすると、Googleアカウントにログインしたユーザーの動きを識別できるようになり、異なるデバイス間での行動を一貫して分析することができます。例えば、ユーザーがスマホで商品を探し、後でPCで購入する流れを追えるため、広告の効果測定やマーケティング施策を最適化するのに役立ちます。
設定方法
- Google Analyticsの管理画面を開く。
- 「データ収集と修正」→「データ収集」に移動する。
- 「Google シグナルのデータ収集」をオンにする。
- 各種利用規約に同意し、設定を完了する。
Google シグナルを有効にすると、地域別の詳細なインサイトや年齢・性別などのデモグラフィックデータも取得できるようになります。
内部トラフィックのフィルタリングを設定する
自社のスタッフが頻繁にサイトを閲覧すると、GAのデータが歪んでしまうことがあります。たとえば、開発チームやカスタマーサポートが頻繁にサイトをチェックしていると、実際の訪問者数よりも多くカウントされ、平均セッション時間や直帰率も正確ではなくなります。これを防ぐには、内部トラフィック(自社のIPアドレス)を除外するフィルタを設定するのが効果的です。
設定方法
- GAの管理画面にアクセスする。
- 「データ設定」→「データフィルタ」に進む。
- 「新しいフィルタを作成」をクリックする。
- フィルタ名を「内部トラフィック除外」などと設定する。
- 「フィルタの種類」を「内部トラフィックの除外」に設定する。
- 自社の固定IPアドレスを入力し、適用する。
もし、会社のIPアドレスが変動する場合は、VPNを利用して特定のネットワークからのアクセスを除外するか、Google Tag Managerを使ってクッキーによるフィルタリングを設定する方法もあります。
カスタムイベントを設定して重要なアクションをトラッキングする
常、GAではページビューや直帰率などのデータは自動で取得できますが、例えば「お問い合わせフォームの送信」「PDFのダウンロード」「特定のボタンのクリック」など、より具体的な行動を分析したい場合は、カスタムイベントを設定すると便利です。これにより、ビジネス上の重要なアクションの計測が可能になり、サイトの改善に役立ちます。
設定方法
- Google Tag Manager(GTM)を開く。
- 「新しいタグを作成」→「Google Analytics: GA4イベント」を選択。
- タグの設定で測定ID(GAのプロパティID)を入力する。
- イベント名を「contact_form_submit」などに設定する。
- トリガーを「フォーム送信」または「クリックイベント」に設定する。
- 変更を保存し、公開する。
これで、GAの「イベント」レポートで、どれくらいのユーザーがフォームを送信したかを確認できるようになります。
カスタムアラートを設定して異常を即座に把握する
ある日突然、サイトのアクセスが激減したり、異常に増加したりすることがあります。特に、SEOの影響やサーバートラブル、広告の設定ミスなどが原因の場合、すぐに気付いて対処することが重要です。そこで、特定の指標に対して「カスタムアラート」を設定すると、異常が発生したときにメール通知を受け取れるため、問題を即座に把握できます。
設定方法
- GAの「レポート」→「カスタムインサイト」に進む。
- 「新しいインサイトを作成」をクリックする。
- 条件を「セッション数が前週比で30%減少」などと設定。
- 通知の送信先としてメールアドレスを指定。
- 保存して完了。
これにより、例えば急激なアクセス減少があれば、すぐに異常を検知し、対応策を考えることができます。
ユーザーごとのエンゲージメントを可視化する探索レポートの活用
通常のGAのレポートでは「ページビュー数」「直帰率」などの平均値が示されますが、より深くユーザーの行動を分析するには、探索レポートを活用するのがおすすめです。これを使うと、「どのユーザー層がコンバージョンしやすいのか」「特定のキャンペーンでどのページを多く閲覧しているのか」といった詳細な分析が可能になります。
設定方法
- GAの管理画面で「探索」メニューを開く。
- 「新しい探索を作成」→「自由形式」を選択する。
- 「ディメンション」に「ユーザーの流入元」「ページタイトル」などを追加。
- 「指標」に「エンゲージメント時間」「コンバージョン率」を追加。
- ドラッグ&ドロップでレイアウトを調整し、レポートを作成する。
この探索レポートを活用することで、どの流入経路が効果的か、どのページでユーザーが多く離脱しているかを分析し、改善につなげることができます。
まとめ
Google Analyticsを初めて使う場合は、基本の設定だけでなく、こうした機能を活用することで、より詳細なデータ分析が可能になります。これらの設定を取り入れることで、単なるアクセス解析にとどまらず、ビジネスの成長につなげるための意思決定に役立つデータを得られるようになります。
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