ロシアの裁判所が、米国IT大手Googleに対して異例の巨額罰金を課す判決を下しました。2024年10月28日、ロシア国営メディアのYouTubeでの視聴制限が継続していることを理由に、200溝ドル(約3澗円相当)という天文学的な罰金額が設定されたのです。世界銀行によると、この罰金額は全世界のGDPを大きく超えており、そのあまりの大きさが国際的な注目を集めています。
制裁と貿易ルール違反でのアカウントブロック
Googleは2020年以降、「制裁および貿易法規の遵守」という方針に基づき、ロシア国営メディアであるTsargrad TVやZvezdaのYouTubeチャンネルへのアクセスを遮断してきました。特に2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後には、ロシア関連の情報操作を防ぐため、全世界でロシア国営メディアのYouTubeチャンネルがブロックされる措置が取られました。
過去の法廷闘争と積み重なったペナルティ
しかし、ロシア国営メディア側はこれに強く反発。Tsargrad TVは2020年8月、Googleの対応に異を唱え、モスクワ仲裁裁判所に提訴しました。そして2021年、ロシアの裁判所はGoogleに対し、17の国営メディアチャンネルのアクセスを回復するよう命令。さらに、アクセスが回復しない場合には、1日あたり1025ドル(約15万7000円)ものペナルティを科すという決定も下されていました。
ロシア当局による制裁圧力とGoogleの対応
ロシア裁判所の今回の巨額判決について、Googleは依然として公式なコメントを発表していません。しかし、同社はこれまでの制裁措置やロシア国内での厳しい状況により、実質的な営業活動が難しい状態に追い込まれているのが現実です。2022年にはロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けて、Googleのロシア法人は銀行口座の差し押さえに伴い破産を申請しています。
また、ロシア当局はさらにGoogleの全体口座に対する差し押さえを試みていますが、海外での法廷闘争ではほとんどがロシア側の敗訴に終わっており、Google親会社であるAlphabetは「制裁対象者を含む口座の閉鎖問題は進行中だが、会社全体には重大な影響を及ぼすものではない」としています。
今後の行方は不透明
今回の罰金額の支払い可能性については、ロシア国内でも懐疑的な声が上がっています。歴史的な金額を課されたGoogleが支払いに応じるかどうかは疑問が残りますが、この判決は国際的な制裁問題やデジタル情報統制の一端を浮き彫りにしています。
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