なぜ今あえてWordPressとBluditを比較するのか
CMSといえば、まず名前が挙がるのはWordPressでしょう。
世界シェアは圧倒的で、プラグインエコシステムも巨大、テーマも豊富。エンタープライズ案件から個人ブログまで幅広く対応できる万能型CMSです。
しかしその一方で、開発者やインフラ担当者の間では次のような声も増えています。
・とにかく重い
・DB依存が強い
・アップデート管理が面倒
・セキュリティパッチ対応が追い付かない
・ちょっとしたサイトにオーバースペック
そこで近年再評価されているのが Flat-File CMS という思想です。
その代表例が Bludit です。

Bluditはデータベースを使わず、ファイルベースで動作する極めて軽量なCMSです。
構造がシンプルで、設置も簡単。PHPが動けばすぐにサイトを構築できます。
本記事では、技術者視点でWordPressとBluditを構造レベルで比較し、なぜBluditが「早く・簡単に・シンプルに」構築できるのかを徹底解説します。
WordPressの構造的特性
WordPressは以下の構造で動作します。
- PHPアプリケーション
- MySQL / MariaDB データベース
- テーマレイヤー
- プラグインフックシステム
- オブジェクトキャッシュ
- REST API
ページを1回表示するだけでも、内部では複数のクエリが発行されます。
典型的な処理フロー:
- index.php → wp-load.php
- DB接続確立
- オプションテーブル読み込み
- 投稿データ取得
- メタ情報取得
- プラグインフック実行
- テーマレンダリング
シンプルなブログページでも、数十〜数百クエリが走ることもあります。
その結果、
- DB I/O
- メモリ使用量
- CPU使用率
が増加します。
もちろんキャッシュ(WP Super CacheやRedis)を導入すれば改善できますが、それは「対策が必要な設計」であることを意味します。
Bluditの設計思想
BluditはFlat-File CMSです。
Flat-File CMSとは?
データベースを使用せず、コンテンツをファイルとして保存するCMSです。
Bluditでは、
- 各記事はフォルダ単位で管理
- JSON形式でメタ情報保存
- Markdownベースの本文
という構造です。
ページ表示時の流れは極めて単純です。
- 対象ディレクトリを読み込み
- JSONメタ読み込み
- Markdown変換
- テンプレート出力
DB接続処理が存在しません。
これが最大の違いです。
技術構造の違い(深掘り)
DB依存
WordPress
→ 必須(MySQL停止=サイト停止)
Bludit
→ 不要(PHP + ファイルのみ)
つまり、
- DBバックアップ不要
- DB移行不要
- 接続エラーリスクゼロ
という大きな利点があります。
I/Oパターン
WordPressはランダムアクセス型。
Bluditはディレクトリ直読み型。
小規模サイトでは、BluditはほぼディスクI/Oのみで完結します。
SSD環境では極めて高速です。
メモリ使用量
WordPress(最小構成)
→ 約40MB〜
Bludit
→ 約5MB〜10MB
サーバ負荷が全く異なります。
同時アクセス耐性
WordPressはDBロックや接続数制限の影響を受けます。
Bluditはファイル読み込みのみなので、基本的にスケールしやすい。
CDNとの相性も良好です。
インストール比較
WordPress
- DB作成
- wp-config.php設定
- パーミッション調整
- 初期セットアップ
- セキュリティ設定
- キャッシュ導入
Bludit
- ZIP解凍
- アクセス
- 管理者作成
終わりです。
セキュリティ設計の違い
WordPressは世界最大のCMSゆえに、攻撃対象になりやすい。
- XML-RPC攻撃
- プラグイン脆弱性
- SQLインジェクション
- 管理画面ブルートフォース
Bluditは攻撃対象としての規模が小さいうえ、DBを持たないためSQLインジェクションの心配がありません。
攻撃面積が圧倒的に小さい。
運用コスト比較
| 項目 | WordPress | Bludit |
|---|---|---|
| DB管理 | 必須 | 不要 |
| バックアップ | DB+ファイル | ファイルのみ |
| 更新頻度 | 高い | 低い |
| プラグイン依存 | 高い | 低い |
| セキュリティ対策 | 多層必要 | 最小限 |
| 初期構築時間 | 30〜60分 | 5分以内 |
| メモリ使用量 | 高い | 低い |
| 小規模サイト適性 | △ | ◎ |
| 静的生成との相性 | △ | ◎ |
| VPS最小構成適性 | △ | ◎ |
開発者視点でのカスタマイズ
WordPressはフック・アクション・フィルターが豊富。
一方でブラックボックス化しやすい。
Bluditはコードベースが小さく、全体把握が容易。
ソースを読むだけで挙動が理解できます。
これは技術者にとって非常に大きなメリットです。
パフォーマンス観点
キャッシュ無し前提での比較。
WordPress
→ TTFB 200ms〜600ms
Bludit
→ TTFB 50ms〜120ms
(環境依存)
初速が違います。
なぜBluditは「早い」のか
答えは単純です。
- DB接続がない
- クエリがない
- プラグイン依存が少ない
- コードベースが小さい
つまり無駄がない。
どちらを選ぶべきか
WordPressが向いているケース
- 大規模サイト
- EC機能
- 多人数編集
- 会員機能
Bluditが向いているケース
- 企業コーポレートサイト
- LP
- 技術ブログ
- 軽量メディア
- VPS最小構成
結論
WordPressは万能型プラットフォーム。
Bluditは軽量高速特化型CMS。
技術者が「最小構成で高速サイトを構築したい」と考えた場合、Bluditは極めて合理的な選択肢になります。
構造のシンプルさは正義です。
小さなサイトに巨大なエンジンは不要。
Bluditは「必要なものだけ」で構築する思想を体現しています。



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